2023.01.25
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入眠時に“ピクッ”となって目が覚めた経験がある方は多いのではないでしょうか。
この入眠時のぴくつきのことを『ジャーキング』と言うそうです。
【ジャーキングは生理現象】
ジャーキングは、筋肉のけいれんが原因とされていますが、まだ解明されていない部分が多くあります。
睡眠に移行する際に脳が誤作動を起こし、筋肉を緊張させる信号が送られることで発生すると言われています。
【ジャーキングと似た病気】
ジャーキングは、体がぴくつくこと以外に症状はありません。しかし、頻繁に起こると 「今日も起こったら
どうしよう…」と不安を感じることがあり、それが不眠に繋がる可能性は考えられます。
また以下のように、ジャーキングと似た症状の病気もあるため、体のぴくつきだけでなく他に異常が見られる
場合は、医療機関の受診をお勧めいたします。
●周期性四肢運動障害:数秒間にわたる筋肉のけいれんが周期的に起こる
●睡眠てんかん:睡眠中に手足がけいれんする
●けいれん:筋肉が強い収縮を起こす
【ジャーキングが起こるきっかけ】
①就寝環境が悪い
机に伏せて寝る・電車で寝るなど無理な姿勢で寝ると、崩れた姿勢に体が反応して元の状態に
戻そうとします。その時に、ジャーキングが起こりやすくなります。
また、うたたねや昼寝など眠りが浅い時に、大きな音やまぶしい光のような外部刺激を受ける
ことでも引き起こされると言われています。
②体が疲れている
体が疲れている時は眠りが浅くなる傾向があるためジャーキングが起こりやすくなります。
例えば、運動して時間が経たないうちに就寝すると、筋肉に負荷がかかったままの状態と
なり、ジャーキングを引き起こす可能性があるようです。
就寝直前の激しい運動は体に疲労を溜めるので避けたほうが良いでしょう。
③ストレスを抱えている
ストレスを抱えていると心身ともに緊張状態になるためジャーキングが引き起こされやすく
なると考えられています。
人間関係・責任が重い仕事・受験や就職活動など、ストレスの要因は様々ですが、これらを
上手く解消しながら生活することが大切です。
【ジャーキング対策:5つ】
①生活リズムを整える
・ 「眠りが浅い」「疲れがとれない」などの不調を解消するために、起床時刻と就寝時刻を
一定にする。
・休日の「寝だめ」は、生活リズムの乱れに繋がるためNG。
・睡眠不足の時は、平日も休日も早く寝るなどの工夫をする。
・起床後に太陽光を浴びると体内時計がリセットされ、夜に自然と眠くなるサイクルが作られる
ため、朝起きたら太陽光を浴び、就寝直前のスマホやパソコンの使用は避ける。
・体温が一旦上がって下がった時に眠気は引き起こされるので、就寝の約2時間前の入浴がお勧め。
②食生活を見直す
・朝・昼・晩、できたら毎日同じ時間帯に食事を済ませる。
・特に朝食は体内時計をリセットする役割があるので、簡単なものでもきちんと食べる。
・夕食は、就寝時刻の3時間前には済ませるよう心がける。
・遅い時間に夕食をとるのであれば、消化の良い食べ物を選ぶ。
・就寝前は覚醒作用があるカフェインやアルコール、ニコチンの摂取は控える。
③適度な運動を取り入れる
・体が疲れていると自然に入眠しやすくなるため、ウォーキングや散歩など軽めの
有酸素運動で適度な疲労感を得る。
・就寝前に運動するのであれば、心拍数が上がらないストレッチやヨガがおすすめ。
④ストレスを発散する
・ときには趣味などに打ち込んでストレスを発散し、日々受けるストレスを長期にわたって溜めないことが
大切。(スポーツ・グルメ・カラオケ・映画鑑賞など、ストレスが発散できることであれば何でもOK)
・入浴剤を入れた湯船に浸かる・アロマを楽しむ・ホットドリンクを飲むなどリラックスできる行動をとる。
⑤ゆったりした服を着る
・不安定な姿勢の時に起こりやすいジャーキングを避けるには、ベッドで横になって眠ることがおすすめ。
・学校や職場など、なかなか横になれない環境で仮眠をとる時には、服の締め付けをなくした状態で就寝
する。(ぴったりとした服を着ていたとしても、襟のボタンを外したり、ベルトを緩めるなど工夫する)
服装による体の締め付けが軽減されると、心身ともにリラックスして眠りやすくなる。
ジャーキングは病気ではなく生理現象なので、過剰に心配する必要はないようです。
上記の「ジャーキング対策:5つ」を心がけ、睡眠の質を高めていきましょう!
※引用・参考:NELL「睡眠コラム:WENELL」 (https://nell.life/wenell/1983/)