2022.12.22
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人間の遠い祖先が魚であったことは、ご存知の方も多いかと思います。
魚だった頃の名残が今の私達の体に残っており「鼻涙管」がその1つです。
■ 魚の鼻の穴は4つ!
魚には鼻の穴が4つあります。
この鼻の穴は呼吸には無関係で、においをかぐためだけに使われているようです。
魚は泳ぎながら、前の穴から水を通し、後ろの穴から出しています。
鼻の穴の中を水が通ると、そこにある「においを感じる細胞」がにおい成分をキャッチ
します。
■ 前の鼻の穴は「今の鼻の穴」に・後ろの鼻の穴は「鼻涙管」に進化した!
4つの鼻の穴は、海中から陸上生活を可能にするため、呼吸もできるように進化していきました。
前の鼻の穴2つが、現在の私達の鼻と同じように「においをかぐ」ことと「呼吸機能」としての役目を担う
ようになり、後ろの鼻の穴2つは目頭の方に移動して「鼻涙管」として残りました。
「鼻涙管」とは、目頭と鼻をつないでいる管のことです。
■ 泣いた時にでる鼻水の正体は…涙!
たくさん泣いた時などに鼻水が出るのは、涙が「鼻涙管」を通って鼻の中にあふれ出してしまうから…。
つまり、泣いた時に出る鼻水の正体は、流れる量が多すぎてあふれ出てしまった涙なんですね!
■ 鼻涙管が詰まると、泣きなくないのに涙が出る
涙には ・目の表面(角膜・結膜)への栄養補給 ・まぶたを円滑に動かす潤滑材
・細菌、紫外線から目を守る防御壁 ・雑菌の消毒 など
様々な役割があり、悲しくなくても絶えず分泌されています。
ですので、涙の通り道である「鼻涙管」が細くなったり詰まったりすると、目から涙があふれ
出て止まらなくなってしまいます。これを「鼻涙管閉塞」と言います。
鼻涙管閉塞は先天的(生まれつき)なものと、後天的に鼻や目の病気により発症するものがあり
ます。
目が常に涙であふれていたり、目やにが増えている場合などは、一度眼科にご相談されること
をお勧めいたします。
魚の4つの鼻の穴は、形や機能を変えて、現在も意外な形で活躍しているんですね!
※引用・参考:All About (https://allabout.co.jp/gm/gc/453629/?FM=compi_linkitem-12)