健康情報

第51回 子どもやペットも要注意!食べると危険な植物

2022.09.30

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 美しい植物の中には、人間や動物の健康や生命に害を及ぼす有害成分を持つものがあります。
 それらの有害成分は人間にとっては毒でも、植物にとっては自らの生命維持のためなどに必要なものである、
 ということを理解しておきたいものです。
 毒性や扱い方を理解しておけば、問題なく植物と楽しく付き合うことができます。

スズラン(鈴蘭) 
 春に香りの良い真白な可愛らしい花を咲かせるスズランは、全草に毒を持っています。flower_suzuran
 有毒成分はコンバラトキシンなど強心作用のあるもので、大量に摂取すると呼吸停止や
 心不全を引き起こすこともあります。
 過去にはスズランの切り花が生けてあったコップの水を飲んだ子どもの死亡例も…。
 注意すべきはスズランを口にしないことです。眺めて、香りを楽しむ分には何の問題も
 ありません。


アジサイ(紫陽花) 
 アジサイの毒性ははっきり分かっていませんが、飲食店で料理の皿に飾りとして添えられflower_ajisai4_purple
 ていたアジサイの葉を食べて中毒症状を起こしたとされる事故が発生しています。
 アジサイの葉は大葉に少し似ています。飾りつけに使用したり、間違えて食べないように
 注意してください。

クリスマスローズ 
 クリスマスローズは冬から早春に可憐な花を咲かせる植物。flower_christmas_rose
 冬のガーデニングの強い味方ですが、全草に毒があり、特に強いのは根です
 ヘレボレインを始めとする有毒成分を持っており、誤飲するとめまい・吐き気・嘔吐など
 の症状が現れ、大量摂取の場合は心臓麻痺により死亡することも…。
 しかし、口にしなければ問題ないので、植え替え等で神経質になる必要はないでしょう。 
 気になる場合は手袋をして作業してください。

スイセン(水仙) 
 スイセンは冬から春に香りの良い花を咲かせる球根植物。庭や公園など様々な場所に植えられ flower_suisen
 ています。スイセンは全草にリコリンなどの有毒成分を含んでいます。
 花が咲いていない時のスイセンの葉をニラに、球根を玉ねぎと間違えて食べて、中毒症状を
 起こした事例が多くあり誤飲30分以内で嘔吐・下痢・発汗・頭痛・昏睡などの症状が現れます。
 花と香りを楽しむだけにしましょう。

フクジュソウ(福寿草) 
 フクジュソウは春に黄色い花を咲かせる多年草。plant_fukujyusou
 特に早春のフクジュソウの新芽をフキノトウと間違えて食べてしまう心配があります
 シマリンなどの有毒成分が含まれ、不整脈の原因になることがあります。
 むやみに食べないようにしましょう。

ヒガンバナ(彼岸花) flower_higanbana
 ヒガンバナは秋に印象的な花を咲かせる球根植物。
 スイセンにも含まれている有毒成分リコリンが全草に含まれます。
 花の後に出てくる葉はニラと間違えやすいので、注意してください。

キキョウ(桔梗) 
 キキョウは秋に青紫色の花を咲かせる多年草。秋の七草に数えられる和の花ですが、flower_kikyou
 絶滅危惧種に指定されています
 キキョウは全草にサポニンなどの有毒成分を含み、誤飲すると蕁麻疹などを起こします。
 むやみに食べないようにしましょう。


毒のある植物と言っても、口にしなければ人体に害を及ぼすことはありませんgardening_woman
とは言え、見分けに迷った植物・間違いなく食用だと判断できない植物・植えた覚えのない
植物は、絶対に食べないでくださいね!
植物の持つ個性を理解して、見て・香りを楽しんで、上手に付き合っていきましょう。

 

※引用・参考:LOVEGREEN (https://lovegreen.net/flower/p292475/)

 

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