2018.07.20
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最終更新日:2022.11.18
夏がやってきました!
夏といえば…海の季節・山の季節・祭りの季節・花火大会の季節、そして『食中毒』の季節でもあります。
梅雨時から9月頃までは高温多湿な状況が続き、細菌やウイルスがもたらす食中毒が多く発生します。
食中毒の予防や、感染後の正しい対応には、食中毒に関する正しい知識を身につけることが必要です。
食中毒とは
食品に混入した細菌やウイルス・化学物質・自然毒などによって起こる健康障害を “食中毒” といいます。
原因物質の約半数を「アニサキス」が占めており、次いで「カンピロバクター」、「ノロウイルス」となっています。(下記グラフ参照)
食中毒の分類
主な食中毒一覧
*見えにくい場合はこちら
食中毒予防
つ け な い <ポイント>洗 う…適切な手洗いと、食品や調理器具の十分な洗浄をしましょう。
分ける…肉と野菜を扱う箸などは別々にし、
保存の際は密封容器に入れたり、ラップに包んで保存しましょう。
増やさない <ポイント>冷 却……冷蔵庫で低温保存し、原因菌の増殖を抑えましょう。
迅速処理…生鮮食品は、できるだけ早く冷蔵庫に入れ、
期限内に早めに食べることが大切です。
やっつける <ポイント>加 熱…ほとんどの原因菌は熱に弱いため、
中心部までよく火が通るように加熱すると安心です。
消 毒…調理器具は洗剤でよく洗い、熱湯をかけて殺菌消毒をしましょう。
【ウイルスの場合】
持ち込まない <ポイント>健康管理…ウイルスに感染しない、感染した場合は調理場内に入らないなど、
調理場内にウイルスを持ち込まないことが大切です。
日頃から健康管理と健康状態の把握をしておきましょう。
つけない <ポイント>手 洗 い……食品にウイルスが付着しないように、こまめに手を洗いましょう。
ひろげない 洗浄・消毒…ふきん・まな板・包丁などの調理器具は、洗剤でよく洗浄し、
定期的に熱湯消毒しましょう。
やっつける <ポイント>加 熱…湯通し程度の加熱では感染力は失われません。
85~90℃で90秒以上、中心部まで十分に加熱しましょう。
消 毒…調理器具などの他、嘔吐物なども適正に殺菌・消毒処理をしましょう。
食中毒が疑われた時の対処
<応急処置>
●全身を毛布などでくるんで、体温低下を防ぐ
●嘔吐や下痢の後は、脱水症状を防ぐため、水分を補給する ※経口補水液(スポーツドリンクなど)が望ましい
●細菌や毒素が腸内にとどまる危険があるため、下痢止め薬の服用はしない(整腸剤は可)
●意識がもうろうとしている場合など、横になる時は、嘔吐物で窒息しないよう、体の左側を下にして寝かせる
<医療機関に行く前の準備>
●消化器科か内科を受診。ただし、症状が深刻な場合は、救急搬送も検討する。
●原因と疑われる食品や、その容器、包装紙などを保管しておく。
<食中毒患者からの感染予防ポイント>
●衣類は他の人と分けて洗う。洗濯したものは日光に当てて十分に乾燥させる。
●浴槽への入浴は控え、シャワーのみで衛生を保つ。同居している人がいる場合は、最後にお風呂を使用する。
●使用するタオル・バスタオルは共有しない。
●使用した食器は消毒液で殺菌し、洗剤で洗ってから十分に流水ですすぐ。
●蛇口・ドアノブ・トイレの便器など、患者が触ったと考えられるものや部位は消毒する。
<汚物処理のポイント>
●嘔吐物の汚物はビニール袋などで密封して処分する。
●汚物処理の際はゴム手袋を使用すること。
誤って素手で触れた時は、逆性石けん※ や70%アルコールで消毒し、流水で十分にすすぐ。
●汚れた場所は消毒液で十分に清掃・殺菌する。
●汚れた衣類は、煮沸か薬品で消毒し、他の人と分けて洗い日光で十分に乾燥させる。
※普通の石けんが“洗浄”効果があることに対し、逆性石けんは“殺菌”する力を持っています。
ドラッグストアで購入できます。
<消毒液の作り方>
ノロウイルスに効果がある消毒液は次亜塩素酸ナトリウムです。
市販のものは濃度が濃いため、水で薄めます。注意事項をよく読んで、注意して使用しましょう。
(台所用塩素系漂白剤(5%)を原液とした場合)
●通常の殺菌用:0.02% … 1Lのペットボトルに入れた水に、キャップ1杯(5ml)の漂白剤を。
●汚物などの処理用:0.1% … 500mlのペットボトルに入れた水に、キャップ2杯(10ml)の漂白剤を。
安全で・安心な食事は、健康な生活の基本です!食中毒に気を付けて、楽しい食生活を送りましょう♪
参考・引用:株式会社 折兼HP「折兼ラボ」(https://www.orikane.co.jp/orikanelab/8211/)
『HACCPで食の安全を守る!食中毒予防ガイドブック』五十君靜信監修,東京法規出版