健康情報

第4回 健康とアルコールの関係

2016.07.27

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 皆さま、こんにちは! 第4回健康トピックスをお送りいたします。
 今回は「百薬の長」の呼び名のあるアルコール・お酒と健康の関係について情報提供いたします。
 さて、今宵はどんなお酒を飲みますか?

【アルコールの健康パワー】

お酒の種類お役立ち成分期待される効果
ワインカテキンやタンニンなどの
さまざまなポリフェノール類
抗酸化作用、抗動脈硬化作用、
がん細胞増殖の抑制、
血中コレステロールの低減など
ビールビタミンB1・B2、
パントテン酸、葉酸など
整腸作用、利尿作用、
善玉コレステロールの増加など
日本酒糖分、アミノ酸、ビタミン類など毛細血管の拡張、抗がん作用など
ウイスキー熟成中、樽材から溶け出した
エラグ酸(ポリフェノールの一種)
胃粘膜の保護、がん細胞増殖の抑制、
血中コレステロールの低減、肝機能強化、
糖尿病の合併症の予防効果など
焼酎本格焼酎の香り成分血栓溶解効果
リキュール各種リキュールに含まれる
植物の有効成分
例)梅  酒:クエン酸による疲労回復効果
  カンパリ:コリアンダーによる整腸効果

このように、お酒には健康に良い効果がたくさんあります。もう少し詳しく見ていきましょう。

【お酒の良い点】

・赤ワイン:赤ワインに多く含まれるポリフェノールには、動脈硬化を予防するはたらきがある。

・白ワイン:有機酸を多く含み、酸性度が高いため殺菌力が強く、食中毒防止の効果がある。

・ビール :ビールに含まれる麦芽には、美肌効果があるビタミンB2が含まれている。
      また、更年期障害による肩こりなどにも微量ながら効果アリ。

・日本酒 :血管拡張効果があり血行が良くなるため、他のお酒より体を温める効果はダントツ。
      冷えや肩こり・腰痛対策としても期待大。

・焼  酎:後に残りにくいといわれており、何より嬉しいのは価格がお手ごろであること!?

 

【でも、危険がたくさん!お酒は「万病のもと」】

 ここまで読んでいただくと、良いことづくめのお酒ですが、適量を超えればもちろん万病のもと。
命を落とすことだってあるんですよ…。

その1…脂肪肝

肝臓の細胞内の脂肪量が増えた状態。初期は特に症状はないが、ひどくなると腫れてくる。
自分のお腹(右側の肋骨の一番下あたり)を押してみて、硬くなっていたら脂肪肝の恐れアリ。

その2…アルコール性肝炎

脂肪肝の状態でさらに過度に飲み続けると、食欲減退・吐き気・倦怠感・腹痛・発熱・黄疸・肝臓が腫れて重苦しいなどの症状が出る。これは、肝細胞の一部が破壊されてしまったため、肝臓が炎症を起こしている証拠。この肝炎を繰り返していると、肝硬変につながることになる。

その3…肝繊維症

肝臓の中に、目に見えない糸のようなものがたくさんできて、肝臓が硬くなる病気。
このため、肝臓の血液の流れが悪くなり、細胞自体が傷ついてしまう。

その4…食道静脈瘤

肝臓に何度も炎症が起こると、胃腸から肝臓に入ってくる血液の流れが悪くなり、肝臓を通り抜けられずに肝臓や脾臓がパンパンになるくらい血液が溜まってしまう。そして、他の通り道を求めて、普段は通らない食道の血管を迂回しようとする。これが「食道静脈瘤」。

その5…高血圧

統計的な研究をもとにすると、1日2合以上飲んでいると血圧が高くなるという説もある。
高血圧を放っておくと脳血管障害・虚血性心疾患など、死亡率の高い病気を引き起こすことになる。

その6…アルコール依存症

過度の飲酒が身体に害を与え、社会や家族にも迷惑をかけていると知りながら飲んでしまう、いわば心の障害。お酒がなければ気分がすぐれず焦燥感に陥る精神依存の場合や、お酒が入っている時は一見正常に見えるが、アルコールが体内から消えていくと落ちつかなく、吐き気や手の震えを感じるなど身体的依存の場合がある。

【お酒の上手な飲み方】

(公社)アルコール健康医学協会提唱『適正飲酒の10か条』を実践し、美味しいお酒を楽しく飲みま
しょう♪

 <適正飲酒の10か条>

1.談笑し、楽しく飲むのが基本です      6.許さない、他人(ひと)への無理強い・イッキ飲み

2.食べながら、適量範囲でゆっくりと     7.アルコール、薬と一緒は危険です

3.強い酒、薄めて飲むのがオススメです    8.飲まないで、妊娠中と授乳期は

4.つくろうよ、週に二日は休肝日       9.飲酒後の運動・入浴、要注意

5.やめようよ、きりなく長い飲み続け    10.肝臓など、定期検査を忘れずに

 

【飲む前に読む・二日酔い防止術】

<お酒を飲む前に食べる> まず、胃と肝臓をアルコールから守る成分を食べて「飲み」に備えよう。

注目成分食材はたらき
クルクミンウコン胆汁の分泌を促進し、肝臓全体の解毒作用を高めるといわれている。
セサミンゴマ活性酸素を取り除き、肝機能を高めてアルコール代謝を促すといわれている。
シリマリンマリアアザミ肝臓の細胞を修復し、保護する作用があるといわれる。
脂肪ヨーグルト、
牛乳など
乳製品に含まれる脂肪が胃に膜を張って、アルコールの吸収を穏やかにする。
お酒を飲む30分~1時間前に摂取しておこう。
ムチンオクラ、山芋、
納豆など
ネバネバ成分のムチンにも、粘膜を保護する作用がある。

<お酒を飲みながら食べる> アルコール代謝を助ける成分をおつまみなどで補おう。

注目成分食材はたらき
動物性・植物性
たんぱく質
肉、魚、チーズ、
豆腐、枝豆など
アルコールを代謝する際に必要な成分。
焼き鳥・刺身・枝豆が酒の肴の定番だったり、ワインとチーズのセットも理にかなっている。
ビタミンB1ネギ、ニラ、
にんにくなど
肝臓のアルコール代謝に必要な成分。
ネギなどに含まれるB1は体内に長くとどまることができる。
ビタミンC小松菜、ピーマン、
ブロッコリーなど
アルコール代謝に不可欠であると同時に、アルコールによって腸管からの吸収が阻害されてしまうビタミンC。食事でしっかり補いたい。
ビタミンEナッツ類アルコール代謝を促進するはたらきがある。
ただし、高カロリーなので、くれぐれも食べすぎないように。

<お酒を飲んだ後に食べる> まずは水分を摂取し、食欲が出てきたら栄養補給を。

注目成分食材はたらき
水分スポーツドリンク、
ミネラルウォーター
など
まずはアルコール代謝で消費された水分の補給を。
スポーツドリンクは、不足しているビタミンやミネラルも一緒に補うことができるが、普通の水でもOK。
果糖オレンジジュースオレンジに含まれる果糖はアルコールの分解を早め、ビタミンCはアセトアルデヒドの分解を促進する。
タンニン、
カタラーゼ
タンニンは胃粘膜を収縮させ、アルコールの吸収を穏やかにする。
カタラーゼはアルコール代謝を活発にする作用がある。
タウリンシジミの味噌汁肝臓の解毒作用を促し、アセトアルデヒドの分解も促進。
クエン酸梅干各栄養素がアルコール分解に使われ、体の細胞は一時的にエネルギー不足に。そんな時はクエン酸をとり、エネルギーを生み出す回路を活発に働かせよう。
カフェインコーヒーカフェインの覚醒作用により、頭がシャキッとする。
またアセトアルデヒドの代謝を促進したり、利尿作用によって老廃物を体内から追い出したりする作用も。

【お酒の適量】

『お酒を飲むなら適量を守りましょう』…何度も聞いた言葉だと思いますが、この適量が大事!
適量の決め手となるのは「血中アルコール濃度0.1%」…といっても、どれくらいの量に該当するのか、ピンと来る人は少ないでしょう。そこで便利なのが「お酒の単位」という考え方です。

アルコール摂取量の基準とされるお酒の1単位とは、純アルコールに換算して20gです。
この1単位を各種アルコール飲料に換算すると…

・ビール…中びん1本(500ml)    ・日本酒…1合(180ml)      
・焼酎…0.6合(約110ml)     ・ウイスキー…ダブル1杯     
       シングル2杯(60ml)
・ワイン…1/4本:グラス2杯(約180ml)・缶チューハイ…1.5缶(約520ml) 

大好きなお酒と末永く付き合うためにも「お酒1単位=適量」を覚えましょう。

お酒は、楽しい時間を更に盛り上げてくれます。
適量のお酒は、心身ともにリラックスさせ、コミュニケーションを円滑にします。
健康との関係をご理解いただき、上手にお酒を飲みましょう!

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